国からの指導 ― 約款はみな同じ

山田が個人的にナビゲートさせて頂きます!
旅行というものは昔から顎・足(アゴ・アシ)という言われ方をします。顎は食事を食べるところですが、この場合は宿泊するところ。足は交通・運輸機関のこと。“顎足付きでの招待”というのは食事、寝るところ、そして交通費がついている招待旅行の意味となります。旅行業というのはこの顎・足の提供をしている機関と旅行者との間をとりもつことを仕事としております。この旅行業を営もうとしている者(企業)に対して消費者保護の立場から作られているのが「旅行業法」です。国として企業運営についていくつかの条件を業者に求めているものです。
さて、その「旅行業法」では旅行業を営もうとしているものに対して、「約款」を作り国の認可を受けること、を義務つけています。この約款が「旅行業約款」とよばれているものです。
旅行業法 第十二条の二
旅行業者は、旅行者と締結する旅行業務の取扱いに関する契約に関し、旅行業約款を定め、国土交通大臣の認可を受けなければならない。国土交通省令で定める軽微な変更をしようとする場合を除き、これを変更しようとするときも、同様とする。

約款は企業側が作るものです。消費者(旅行者)が自分でつくるものではありません。そのためどうしても企業の都合のよいように作られてしまいがちになります。また、企業は常にトラブルが発生したときのことを考えて作りますので、正確な表現をするために文中に法律用語を多用します。このため一般のひとには理解しずらくなるおそれがあります。このようなことが起こると消費者に不利益を招くことになりかねないため、国はこの作成に当たっては「介入」をしてききます。国は企業が作った約款が適正なものかどうかを判断し、そのうえで約款の認可を行います。
また、判断とか許可だけでなく作成にも直接関わってきます。企業側の代表、消費者代表などと国(行政)とが様々な協議を重ねて作成をしたものが旅行業でいえば「標準旅行業約款」です。これをそれぞれの会社に標準的に利用することを勧めています。これを使えば認可されたものとみなしてもらえるため、現在では殆どの企業がこの「標準旅行業約款」を利用しています。
旅行業法 第十二条の三
国土交通大臣が標準旅行業約款を定めて公示した場合(これを変更して公示した場合を含む。)において、旅行業者が、標準旅行業約款と同一の旅行業約款を定め、又は現に定めている旅行業約款を標準旅行業約款と同一のものに変更したときは、その旅行業約款については、前条第一項の規定による認可を受けたものとみなす。

「標準旅行業約款」を使えば企業は国の認可を簡単に受けることができます。面倒な手続きを踏む必要がなくなります。ですから、会社ごとにそれぞれ約款がありますが、実は大半は同じものが利用されているのです。違いはほんの一部しかありません。それも取引の条件というところではありませんから、この「標準旅行業約款」さえ見ておけばどの旅行会社でも同じことと考えてよいのです。
旅行会社の人でもこのことを知らないひとは大勢います。よその会社の約款も、自分の会社の約款もみんな同じものだった、ということを知らないものです。
2004年12月16日に国土交通省大臣官房総合観光政策審議官の名前で業界団体に「改正旅行業約款について」という文章がでております。そこでは変更について次のように記載されています。